ゴールデンカムイ全巻読破 あらすじと感想

今年のGWはゴールデンカムイを一気読みして過ごしましたよ♪

かなり大まかなあらすじと感想を自分用にメモしておきます。

もちろん最終回まで全てのネタバレがありますのでご注意くださいね!

あらすじ

日露戦争から帰った杉元は戦地で北海道の砂金の噂を耳にし、一攫千金を目指して川で砂をさらっていた。
そこに酔っ払いがやってきて昔アイヌの砂金をすべて奪って埋蔵金にしたまま網走監獄に捕まった男の話をする。その男は”のっぺらぼう”と呼ばれており外の仲間に埋蔵金の場所を伝えるため囚人たちの体に入れ墨の暗号を彫った。囚人たちは埋蔵金を狙ってその囚人たちの移送を試みた屯田兵を殺し散り散りに逃げたという。
与太話としか思っていなかった杉元だが、酔いが醒めた男はしゃべりすぎたと杉元を殺しに来る。戦争の英雄として不死身と呼ばれた杉元は男を返り討ちにする。するとその男の体には刺青の暗号が彫ってあった。
暗号が彫ってある男の死体を野生のヒグマに奪われそうになるもアイヌの少女アシリパに助けられる。アシリパは死体を諦めろと言うので刺青の話をして協力を依頼する。アシリパは砂金はいらないが砂金のために殺されたアイヌの中に自分の父親がいたためその話を信じて真実を知るため協力すると告げる。そこから二人の埋蔵金を巡る旅が始まる。

刺青人皮を狙う勢力は杉元、アシリパに白石を加えた3人以外にもおり、北海道独立を目指す歴史上は死んだはずの男・土方歳三一派、北海道に軍事政権を設立し日本の領土を広げようと考える第七師団の鶴見中尉一派と時に協力時に敵対しながら暗号解読のため全ての刺青人皮を探す。

キロランケによるのっぺらぼうはアシリパの父親ではないかという情報、それなら暗号を解かなくとも娘に金塊のありかを伝えるのではないかという予測を元に杉元一派と土方一派はのっぺらぼうが収監されている網走監獄を目指す。
網走監獄にたどり着き、のっぺらぼうの独房に潜入するものっぺらぼうはアシリパの父ではなく一同を目にした瞬間突然大声で叫び始める。網走監獄中が侵入者に気づき一同は追われることとなる。杉元はアシリパとアンジを先に逃がすが、二人になったアンジはアシリパを本物ののっぺらぼうに会わせると言う。一方鶴見率いる第七師団は杉元一行の作戦失敗を知り網走監獄襲撃を敢行する。
交戦の中、杉元が本物ののっぺらぼうと出会いアシリパの父ウイルク本人であることを確認する。しかしその直後に仲間かと思われたキロランケの合図により尾形が杉元とウイルクを狙撃。ウイルクは命を落とす。これにより暗号の謎を解く可能性があるのはこの世にアシリパ一人となり各勢力から狙われることとなる。
キロランケは若い頃にアシリパの父とロシア人女性ソフィアと3人で極東連合国の設立を目指して樺太から日本へ渡ってきた樺太アイヌだった。アシリパに父親に関する記憶を思い出させるためアシリパを連れて白石尾形と共に樺太へ向かう。ロシアのアレクサンドロフスカヤ監獄に収監されているかつてのキロランケとウイルクの仲間であるソフィアと会話したアシリパは父の記憶を思い出し、暗号の鍵は自分だけに教えてくれた父の本名ではないかと気付く。
樺太でアシリパと再会した杉元たちは鶴見一派から逃げるが、札幌でアシリパは確保されてしまう。そして鶴見は昔ウイルクらアイヌが日本政府と戦う武装のために砂金を使おうとしていたが内部分裂して殺し合いになった過去を伝え、この黄金、全ての物が神であるというアイヌ風に言えばゴールデンカムイは存在する限り人間を狂わせ不幸にするとアシリパを脅す。アシリパは暗号の鍵は父の名前であることを鶴見に伝えてしまう。
アシリパの助言により鶴見・杉元+土方両陣営はほぼ同時に刺青の暗号を解読する。暗号の示した形は五稜郭であった。
杉元たちは海賊房太郎が死ぬ前に伝えてくれたヒントにより鶴見より先に五稜郭へ辿り着く。しかし金塊がこの敷地のどこに隠されているかの手がかりがなく途方に暮れる。そこで土方が自分に彫られている神の字の位置ではないかと考え文字と地図が重なる建物の下を掘る。そこから出てきたのは厳重に梱包された一冊の冊子、北海道各地の広大な土地の権利書であった。アシリパの父たちは砂金でアイヌのための土地を購入していた。しかし購入に使用された金塊はあると言われていたものの半分の金額でしかなかった。最後の一枚の刺青であった看守門倉のものが示した場所は昔土方が五稜郭でアイヌの男と出会った馬用の井戸であった。
一行はついに大量の砂金を見つけるが、鶴見の襲撃までに大量の金を運び出す方法も時間もなく、仕方なく埋め直して逃げることとなる。
鶴見から逃げようと杉元一行は逃走中に函館行きの列車に乗るがその列車には五稜郭へ向かう大勢の第七師団と尾形も乗車しており鶴見一派も列車に追いつきそこで全面戦闘となる。次々命を落とす仲間だったものたちを見てアシリパは最後に残った杉元と白石にアイヌの権利書は自分一人の問題であり二人まで失いたくないから鶴見のところへは一人で行く、だから砂金のことは忘れてくれと頭を下げてほんの少しだけ持っていた金を二人に渡す。杉元は了承するが一人では行かせないとアシリパと二人で鶴見のとの決闘へ向かう。


半年後、杉元・アシリパ・白石は杉元の親友寅次との約束の金を梅子に渡しに東京へ来ていた。梅子は新たな嫁ぎ先で手術を受け目が見えるようになっていた。しかし杉本は約束だからと自分が井戸で少しだけ持ち帰っていた砂金を梅子と子どもに渡して立ち去る。一緒に幼少期を過ごし昔は駆け落ちを約束した二人だが、会ったのはこれが最後だろう。
白石にこれからどうするのかと聞かれた杉元は、アシリパと北海道で暮らすと答える。二人は出会った北海道のアイヌの村へと戻る。
そして白石は東京で別れてから一度も姿を見せず、三年後に自分の顔が彫られた、様々な砂金を溶かして作られた故にまだらな金貨を送りつけてくる。彼は金塊は掘り起こさないという約束を反故にし、海賊房太郎が言っていたようにどこかの南の島で王様になったのであった。

個人的感想

これまたかなり最初の頃から発売したら〜とか未読が溜まったら〜とかで何年もちまちま読んでいたので毎回話を忘れていたのですが、今回一気に読んでめちゃくちゃ楽しかったです!
やっぱり完結している漫画ってこの最後まで読んだ時の満たされた気持ちがとてもいいですよね。
結末もおそらく全読者納得の最後だったのではないでしょうか。
私は久しぶりに漫画を読んでとても幸せな気持ちになりましたね。

上記あらすじには書いていたらキリがないので全く書いていませんが、本編と同等かそれ以上にアイヌの生活や文化の豆知識、食べ物についての部分、そしてギャグが大変面白い漫画で、ここに関してはあらすじではほぼ何も伝わらないのでぜひ読んでみていただきたいです。

そしてやはり特筆すべきはヒロインであるアシリパの可愛さですね。
私は女オタクの例に漏れずいらんやる気を出して足を引っ張るタイプのヒロインだともうその漫画は読めないのですが、アシリパはアイヌであるという設定を最大に活かした知恵による食事や狩猟による収入で何回も皆を助けてくれる子で且つその魅力は女の子らしい可愛さとも両立するのがとても良かったです。
この状況でなるべく殺さないという理想論を唱えるところだけ本当に若干気になっていたしそれなら山のように人を殺した杉元のこと最終的には許せないはずだしそうじゃないならダブスタだよなと思っていたのですが、それも全て最後に毒矢を撃つ覚悟の伏線となっていたので最高でしたすいません…!となりましたね。なので最後幸せそうなアシリパを見た時一番涙が出ました。

読んでいて、数話だけ登場して死んでしまう囚人なども多いのですが、彼らも含めてほぼ全てのメインの登場人物が皆背景から結末まで描写されているのもすごいと思いましたね。
私は途中で死ぬ=扱いが悪いとは思わないタイプで自分が一番やりたいことをやった結果死んだならその人は幸せだったよねと思う考えなのでそういう意味で扱いが悪いなと感じるメインの登場人物がいなかったのも良かったですね。

あと青年漫画というジャンルを読む時必要か?という性描写、特にドギツイ性犯罪とかがあると現実がそうなのは理解してるけど漫画というファンタジーで楽しんでいる時まで見たくないなと気持ちが萎えてしまうのですがこの漫画はあまりにも不快な性描写が無さすぎて作者は女性なんだろうと最後の後書きで妻がいるということを書かれているのを読むまで本気で思っていました。
なので個人的にはこどもにも勧められますね。
まあかなり小さい子の場合は話が難しくて読めない気はしますし人はめちゃくちゃ死にますが(笑)

あと銀魂で言うところのファイナルファンタジー(漫画の最終回で急に全ての登場人物が大したフラグもなく結婚するor付き合う現象を銀さんが名付けたもの)がなかったのも個人的には良かったですね。
それが好きという人も聞いたことがあるのでなんとも言えないですが。
作中で言われていたのはアシリパでしたがこの漫画全体的に「お前の生き方はお前が選べ、それで後悔してもそれでいい」というものを感じたので(自由すぎる生き方で死んでいく囚人たちとか、自分が信じたいから鶴見を信じている鯉登と鶴見の出方によっては相手を許せなくなりそうな月島のやりとりとか)最後生きている組は全員キャラのブレなく好きなように生きている結末で安心しましたね。

私はすべての作品において最初から最後まで何があっても(つらいことはもちろんですがただ自分の信念を捨てさえすれば幸せになれる道があるみたいな時も)絶対に自分の信念を貫くというキャラクターが一番好きなので、土方が一番好きでしたね。
30年収監されてもただ政府に下ると言えば済むところをそうはせず、犬童にたかが農民の俺が生まれながらの武士であるお前ら以上の忠義を持ち続けてるのが怖いんだなって言い放って殺すところ、最高に好き………となりましたね。
そして土方歳三という実在した人物もそれに近い人物像であったとされていると思いますし私もその印象なので漫画に出てくる実在の超有名人物で解釈違いがなかったという奇跡でもありました。
そして何よりも最後歴史上死んだとされている同じ場所で戦って死んだのが良かったですね。生きていると今後解釈違いになる可能性を孕んでしまいますので。(作中で死んでるキャラしか安心して推せない厄介なオタク)

ここまで書いていて思いましたが、内容がとても面白い+不快に感じる部分が(個人的に)全然ない漫画だったのだなと思いました。
それってすごいことですよね。


今年のゴールデンウイークはほぼこれを読んで過ごしていましたが大変満足しました。
そしてせっかく無料期間に読んだものの、とても気に入ったので私はDMMBOOKSの還元期間中に買おうかなと思っています。
ぜひ皆様も機会があったら読んでみてくださいね♪